strawberry tea
俺は試合には戻らなかった。
……戻れなかった。
俺はトイレに入る。
…良かった。
誰も居ない。
「……ちくしょう」
本当は分かってなんかいない。
本当はこんな事言いたかったんじゃない。
女達にやられて怖かったんだろ?
俺が抱きしめたかった。
ごめんな、って言いたかった。
あんな顔させるつもりは無かった。
…けど、何で抱き合ってるんだよ。
どうして否定しないんだよ。
怖かったから、三宅に甘えたのか?
…なら俺に甘えろよ。
俺しか冬嘉に触っちゃいけねぇんだよ。
俺が冷たくした時、冬嘉の凍りついた表情。
…何でだよ。
思わせぶりか?
そんな目されたら…
頭がこんがらがって、うまく整理できない。
三宅が良いなら…俺にそんな顔すんな。
三宅が良いなら、三宅と幸せになれ。
いや…本心じゃない。
三宅になんか渡したくない。
三宅と幸せになんか…なってほしくない。
けど、もう無理なんだ。