strawberry tea
痛み。
**冬嘉side**
あたしは、一年の玄関に居た。
ここに居れば、蓮の試合が終わったら…
蓮、来るよね?
少し怖い。
あたしのせいで、こんな事になったから…
だけど、伝えなきゃ。
『解散!!』
外で、そんな声が聞こえた。
終わったんだ、試合。
…本当なら、蓮の試合を見ていたかった。
終わった後、蓮と語りたかった。
ザワザワと皆が戻ってくる。
あたしはドキドキがおさえられない。
『お疲れー』
『お疲れ!お前シュート凄かったよ!!』
人ごみが、玄関にあふれる。
………居た。
悲しいくらい、蓮を見つけるのが早い。
「…れ…んっ」
人ごみの話し声に、あたしの声はかき消される。
蓮は、友達と楽しそうに話している。
あたしの存在には、気付いていないみたいだ。
どうしてそんなに笑ってるの……?
あたしの胸はチクリと痛む。