strawberry tea

痛み。




**冬嘉side**







あたしは、一年の玄関に居た。



ここに居れば、蓮の試合が終わったら…


蓮、来るよね?






少し怖い。

あたしのせいで、こんな事になったから…






だけど、伝えなきゃ。








『解散!!』





外で、そんな声が聞こえた。


終わったんだ、試合。




…本当なら、蓮の試合を見ていたかった。

終わった後、蓮と語りたかった。





ザワザワと皆が戻ってくる。



あたしはドキドキがおさえられない。






『お疲れー』

『お疲れ!お前シュート凄かったよ!!』




人ごみが、玄関にあふれる。









………居た。





悲しいくらい、蓮を見つけるのが早い。






「…れ…んっ」



人ごみの話し声に、あたしの声はかき消される。



蓮は、友達と楽しそうに話している。



あたしの存在には、気付いていないみたいだ。






どうしてそんなに笑ってるの……?







あたしの胸はチクリと痛む。





< 236 / 289 >

この作品をシェア

pagetop