strawberry tea
「蓮っ…」
あたしのすぐ傍にいた一年男子が、あたしに気付いた。
『蓮ですか?』
あたしは頷くと、その男子が蓮を呼んでくれた。
『蓮!!彼女さん』
…………っ。
もう全校に知られているあたし達。
…彼女…なのかな?
蓮が人ごみを掻き分け、あたしの元へ来る。
…来てくれた…
何となく、淡い期待が胸に広がる。
『ここ、人凄いし。
階段の踊り場行くぞ。』
蓮に腕を掴まれ、強引に引っ張られる。
その力の強さは、とても優しいとは言えない。
あたしの胸の期待が無くなる。
…馬鹿だ、あたし。
蓮怒ってるんだ。
当たり前じゃん……
自分に呆れる。
自分が嫌になる。
そんなあたしを好きと言ってくれた蓮。
あの、告白の日が遠い昔みたいだ。