strawberry tea



蓮は、手で自分の口を覆い、顔が見えないように少しそっぽを向いた。




…見ちゃったもんね。








その時。











「ひぇっ…!?」












蓮にギュッ、と抱きしめられた。



……!?
何で!?



急に暴れ出す心臓。






「な…蓮はあたしの事嫌いなんでしょ!?」

『馬鹿』







もっと力強く抱きしめられる。

蓮の顔が見えない。









「馬鹿!?
馬鹿は蓮でしょ!?」

『…そうかもな』






………え?





そ、そうかもなって…











『…冬嘉…』





………っ。







冬嘉って呼んでくれた。




ヤバいっ……涙がっ…







泣き声を漏らさないように口をしっかり閉じる。


けど、涙はボロボロ溢れて止まなかった。








…やっぱりあたしは、蓮が、好き。






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