strawberry tea

『…あれ？』





そんな声が背後からして、あたしは振り向いた。




『何で居んの？』




そう言ってあたしに近づいてきたのは…


三宅先輩だ。






『…どした!?!?』




あたしが泣いているのに気付いたらしく、先輩は慌てた。




「すぃませっ…うっ…」



『聞こえねーし。何があったんだよ？』




「…あたッ…し…」





すると先輩は、自分の服の袖で、あたしの涙を拭ってくれた。




『ごめん、海宝…喋んなくていいから。』




そう言ってあたしの頭をぐしゃっと撫でた。





…先輩。



そう言ってくれて、嬉しかった。

話すに話せないから…。




『思いっきり泣けばいいじゃん』



ニカッと白い歯を見せ笑う先輩。




そう言われたら、何だか安心して、余計涙がぶわっとあふれた。


と、同時に視界がゆれて先輩の顔が歪んだ。





しばらく先輩は、無言であたしの隣で景色を一緒に眺めていた。





心が少しづつ落ち着いてゆく。







『泣き止んだ？』




あたしの顔を覗き込む先輩。




「…はい…すみません」



先輩は優しく笑ってくれた。






先輩のおかげで、安心できました。

ありがとう……。