strawberry tea



また沈黙の時が続く。


蓮はボールを足元で転がせ、康輝君を見つめる。
康輝君も、蓮をじっと見つめる。




そして。



バシッッ



先ほどのような・・・いや、それ以上か・・・



本当はそれ以上じゃなくても、あたしにはさっきより凄く思えた。





鋭く飛んだボールは康輝君の僅かな隙をすりぬけ、ネットを揺らした。






・・・・・・・・・・・・・格好良い。





あたしはじっと蓮を見つめた。


汗をかいた蓮は、格好良くて。
まぶしくて。綺麗で。


麗華ちゃんも、そんな蓮を見てか、頬を染めている。



『・・・・・ちッ』


康輝君が小さく舌打ちすると、再び交代した。


1-1。


どちらもあと二点先に取ったら勝利だ。



・・・・・・・・・蓮・・・頑張れ!!!!!















バシッ

バシッ




そんな音が響きわたる校庭。

凄い戦いのため、周りに野次馬たちが増えてきた。


興味本位で見てくる者。
蓮か康輝君のファンで、頬を紅潮させながら見る者。





そんな人が増えてくるにつれ、得点も変わった。




2-2。



蓮2点。
康輝君2点。




あと一点!!!


それが、どちらも焦っているのか、なかなか決まらない。






蓮が攻撃、康輝君が守備になった時だった。









・・・・・・・・この勝負が決まったのは・・・。







< 88 / 289 >

この作品をシェア

pagetop