strawberry tea
また沈黙の時が続く。
蓮はボールを足元で転がせ、康輝君を見つめる。
康輝君も、蓮をじっと見つめる。
そして。
バシッッ
先ほどのような・・・いや、それ以上か・・・
本当はそれ以上じゃなくても、あたしにはさっきより凄く思えた。
鋭く飛んだボールは康輝君の僅かな隙をすりぬけ、ネットを揺らした。
・・・・・・・・・・・・・格好良い。
あたしはじっと蓮を見つめた。
汗をかいた蓮は、格好良くて。
まぶしくて。綺麗で。
麗華ちゃんも、そんな蓮を見てか、頬を染めている。
『・・・・・ちッ』
康輝君が小さく舌打ちすると、再び交代した。
1-1。
どちらもあと二点先に取ったら勝利だ。
・・・・・・・・・蓮・・・頑張れ!!!!!
バシッ
バシッ
そんな音が響きわたる校庭。
凄い戦いのため、周りに野次馬たちが増えてきた。
興味本位で見てくる者。
蓮か康輝君のファンで、頬を紅潮させながら見る者。
そんな人が増えてくるにつれ、得点も変わった。
2-2。
蓮2点。
康輝君2点。
あと一点!!!
それが、どちらも焦っているのか、なかなか決まらない。
蓮が攻撃、康輝君が守備になった時だった。
・・・・・・・・この勝負が決まったのは・・・。