ハル。【短編】

そういや、十二時過ぎたな。
眠たかったらいつでも切っていいから遠慮すんなよ。


ううん、大丈夫…。


夜の静けさで酷く自分の声が大きく聞こえた。ハルカの声も。赤を足した罪悪感はそれでも電話を止めることができない。


さっきの続き言おうか。


あ、うん。


八方美人なところ。


…………ハルカ酷い。


だろ?知ってる。


………自分が一番分かってるとこ言うなんて酷い


悪い。良いところでもあるけどたまにイライラするから。


………いっつもハルカ怒るから知ってるよ。


そうだな、こないだの後藤のことでイライラしたな


……あんなに怒ることなかったのに。


お前があんま仲良くない奴に弁当の中指突っ込まれてヘラヘラ笑ってたからだろ。


私もびっくりしちゃって。


しちゃってじゃないだろ。
しかも男だしな。
あいつぜってー糞しても手洗わねぇタイプだろ。


ちょっとー汚いー。


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