Chain~この想いは誰かに繋がっている~
そんな時、美希の鋭い視線を感じてしまった。

いけない、いけない。

「お会計、1,000円になります。」

「はい。」

ポケットからスッと、千円札一枚を出す彼。

そのさり気無い仕草も、ああ、かっこいい。


「こちらチケットですね。18:20からの回になります。」

本当は手を重ねたかったけれど、美希がいるから、また今度。

「ありがとう。」

スッとカウンターから離れた彼。

でも数秒後、こちらをチラッと見て、動きが止まった。

えっ… まさか…

トクントクンと、音を立てて鳴り響く、私の心臓。


『また、君がいる時に来てもいい?』

『……はい。』

『じゃあ、映梨子は俺の専属ね。』


あああああああああ!!

妄想が止まらない!!

どうしよう!!!!

私の名前なんて、相手は知らないのに!!!!!!


って、いつまで見てるの?

もしかして…もしかして……

私に話しかけたくて、ウズウズしているの!?!?
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