Chain~この想いは誰かに繋がっている~
「親方、私、私ねっ……」

俺なんかの為に、懸命に説明しようとして、何度も何度も、涙を拭いている。

「どこかで、周平も、私のこと好きなんじゃないかって……そう思ってたの。」




ああ、知ってるよ。

夏目さんの話、聞いただけだけど、俺も、同じ事を思ってた。


そいつも、夏目さんのこと、好きなんじゃないかって。


ああ!

ちくしょう!!

お互い好き者同士が、くっつけないなんて!

なんで世の中、こんなに上手くいかないんだ!!


だけどもう一つ、本音を言うと。

そいつの話をしている時、夏目さん、嬉しそうにしている反面、悲しそうな顔してたじゃないか。


俺だったら、

俺だったら、夏目さんにそんな顔させない。

いつも、幸せそうな顔、させてやるよ。

そうも、思ってた。
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