Chain~この想いは誰かに繋がっている~
あんな泣きじゃくりながら、飲んでたからな。

実際、吐きはしなかったけれど、吐きそうにはなってたからな。

そんな姿を見せてしまった手前、恥ずかしくて来れないとか?


「親方、頼んだビールまだ?」

「あっ、すみません。ただ今、お持ちします。」


客の注文を忘れるなんて。

まずいのは俺だ。

仕事に集中しなければ。


ジョッキを持って、ビールを注いでいる最中に、ガランガランと、扉が開いた。

「はい、いらっしゃ……」

その目線の先には……









久しぶりに見る、夏目さんの笑顔があった。
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