Chain~この想いは誰かに繋がっている~
私の名前は、夏目美波(ナツメ ミナミ)。

27歳、OL。

一緒に就職した周平を想い続けて、早5年。

全く自分の歯痒さには、呆れかえる。


そして訳もなく、行きつけの居酒屋で、一人飲んだくれている始末。

「好きなら、さっさと告白して、付き合えばいいでしょう。」

「それが出来るなら、とっくに付き合ってるって。親方。」

この店の親方とは、もう馴染みの関係で、周平の事は、既に相談済みだ。


「勿体ないなぁ。それだけのいい女が。」

「そう言ってくれるのは、親方だけだよ。」

慰めてもらってる思うだけ、惨めになる。

「そうだ。一度、この店に連れて来なよ。」

「ええ?」

「夏目さんに相応しい男か、俺が見てやる。」

「マジですか!?」

いつの間にか仲良くなったとはいえ、親方のこの親身になってくれるところは、本当に有難い。

この店の常連は、おそらくこの親方の人柄に、惹かれて来てるのだと思う。
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