Chain~この想いは誰かに繋がっている~
夏目さん、案の定、驚いてる。

「あっ、別に変なこと、考えてるわけじゃないですよ。テレビを口実にして、突然襲ったりとか、そんなことしませんから!」

慌てて否定しちゃって、逆に変に思われたかな。


そんな事を思いながら、ポリポリ頬を掻いていると、突然夏目さんが、クスッと笑った。

「優しいんですね。」

「ははは…そうですか?」

そりゃあ、大事な人には、優しくするでしょう。


「でも、どうして親方は、私にそんな優しくしてくれるんですか?」

「えっ!?」

いきなり核心に触れる!?


どうしよう。

ここで言うべきか。

“あなたが好きだから”って。


「あはっ!そんなこと、言われても困りますよね。」

「夏目さん?」

そう言う夏目さんの方が、困ってるよ?

「ほら、私、すぐ勘違いしちゃうから。」

「勘違い……」

俺が近づくと、夏目さんは別な方向に逃げる。
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