Chain~この想いは誰かに繋がっている~
思わずポロっと言った感想。

それにあの人は反応した。

「君も、こういう映画好き?」

「え、ええ。」

実はその人気アイドルの、ファンだったりするんだよね。

「そうなんだ。じゃあ、またしばらくしたら、来てみます。」

そう言ってあの人は、お店を出て行ってしまった。


そして二週間後、あの人はまたお店に来ていた。

今度は準新作のSFモノ。

それも映画公開と同時に、人気になった作品だった。

「いらっしゃいませ。お預かりします。」

そう言って、レジに並んだあの人に、手を差し出した時だ。


「これ、面白い?」

思わず手が止まる。

「ええ、面白いですよ。ハリウッド映画は、背作費用を掛けてますから、迫力が違いますし、出演者も親子で有名ですからね。」

「へえ~。いろんな事知ってるんだね。」

あの人も顔が綻んだところで、ようやくレジが打てる。

「それが仕事ですから。」
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