Chain~この想いは誰かに繋がっている~
小宮山さんが店を出るまで、しばらく目で追いかけた。

胸が温かくなる。

恋愛に散々嫌気がさしていた私でさえ、また胸が熱くなる時が来るなんて。

だから恋愛は、止められない。


それから小宮山さんは、週一でお店に来た。

あっ、また小宮山さん 来てる。

そう思って目で追いかけると、必ず小宮山さんと目が合った。


「あのさ、クリスマスにお勧めの映画ってある?」

「ええ、ございますよ。」

何気に、クリスマス特集の棚に誘導する。

「うわっ、たくさんある。」

新鮮な驚きように、私もびっくり。


「意外とたくさんありますよね。これだけあると、まだご覧になっていない作品も、あるんじゃないですか?」

「ああ、俺。DVD観るようになったのって、ここ最近なんですよ。」

「そうなんですか?」

意外や意外。


「君は、どれを見たい?」

隣の少し高い位置から見下ろされて、心臓がドキンとなる。

「私は、これ……」
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