Chain~この想いは誰かに繋がっている~
「やだ、店長。そんなふうに見てたんですか?」

笑って言ったけれど、本当にやる気はなかった。

「どうだ?今度この会社の就職試験、受けてみたら?」

「ここの会社の?」


なぜか店長の方が、興奮していた。

「いつまでもフラフラとアルバイトばっかじゃ、生活だって安定しないし。履歴書見たけれど、他のバイトは3か月くらいで辞めてるけれど、ウチは1年になるじゃないか。嫌いじゃないだろう?この仕事。」

「ええ、まあ……」

「だったら、真剣に考えろよ。」

思わぬ提案に、頭が混乱する。

恋愛がダメになると、仕事もダメになる時があるのに、恋愛が始まりだすと、仕事も上手くいく時がある。

だから、人生は面白い。


その日も、小宮山さんはレンタルショップを訪れていた。

ずっと恋愛物の棚を、見つめている。

「小宮山さん。」

振り向いた小宮山さんは、笑顔で迎えてくれた。
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