Chain~この想いは誰かに繋がっている~
働いていた店の店長は、すごく残念がっていた

【もう少し、頑張ってみたらどうだ? 俺、応援するから】

そのまま、私、襲われるんじゃないかっていうくらいの勢いで、真剣に見つめられて説得された。


でも、店長じゃあ 私は無理。

だって店長、頭の半分、髪がないし。


それに私、アルバイトだったから、社員である同僚の店員さん達とは、本音で付き合うことはなかった分、この店に執着心はなかった。

ここにいると、変に小宮山さんの事も、思い出しちゃうしね。


そうそう。

あの後、小宮山さんとは一度だけ会った。

彼女さんが借りた、DVDを返しに来たんだ。


「お姉ちゃん、なんか疲れてんね。」

「そりゃあ、仕事してますから。」

梯子の上に乗ってた私に、お構いなく声を掛けてきた小宮山さん。

「よし!じゃあ今度、美味い飯でも食わしてやるよ。」

「やった!私、焼肉が食べたいです!」

「ははは!ゲンキンな奴!」
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