Chain~この想いは誰かに繋がっている~
「話があるって言ったろ。」

「……そうだったね。」

忘れてはいなかったけど、こんな立てこんでいる時に、言われてもね。


「また、今度にするな。」

周平が立ち上がった。

「あっ、待って!」

無意識に引き留める私。

「あと、30分だけ待てる?」

ダメ元で言ってみた私の提案に、周平はため息一つで、OKをくれた。


―30分後。

「ほらよ。」

一向に仕事の終わりを告げない私に、周平はミルクティーを買って来てくれた。

「あれ?よく知ってるね。残業する時は、ミルクティーだって。」

「普段はコーヒーしか、飲まないけどな。」

そして、周平も同じミルクティーの缶を開けた。

「ホント、ごめん。切りがいいところまで出来たら、急いで止めるからさ。」

「ああ~、もういいや。」

焦る私に、周平は一人諦めモード。


「ここで話す。」

そう言って周平は、私の隣の席に座った。
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