Chain~この想いは誰かに繋がっている~
自問自答を繰り返す俺。

結局、親切心が勝ってしまう。


「あの~お取り込み中、申し訳ないんだけど。君のストッキング、伝線してるよ。」

「えっ?」

隣の席の彼女は、自分の後ろ脚を見る。

「外に出る前でよかったね。」

俺が声を掛けると、鋭い目線が返ってきた。

「余計なお世話です!!」


はああああ???

心の中で、あり得ない程叫んだ。

肝心の彼女は、一緒にランチに行く女の子に、今の話をしている。


『やだぁ、どこ見てるの?』

『いやらしい。』

そんな声が聞こえてきた。

ウソだろう?

俺は親切に、教えてやったんだぞ?

ガクッと項垂れる。


何なんだ。

世の中、こんなものなのか?
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