Chain~この想いは誰かに繋がっている~
少しだけ気を使うか。

さっき、ど真ん中の席、取ってくれたからな。


俺は人差し指で、お姉ちゃんを近くに招き寄せた。

「お姉ちゃん、鼻の上、テカッてるよ。」

言った途端に、顔の下半分を、両手で覆い隠すお姉ちゃん。

「…ハハッ、ハハハハ……」

そして猛スピードで、俺の前から遠ざかって行った。


また失敗か。

なんでこう親切心がいつも、仇になるんだろう。

そして、影で言われるんだ。

『デリカシー、無さ過ぎ!!』って……

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