Chain~この想いは誰かに繋がっている~
「違うよ!俺、君のこと何とも思ってないし!!」

「知ってますよ。そのくらい。」

な~んだ。

両手を使って、全否定しなくてもよかった?

「そうだなぁ。下林さんって、よくデリカシーないって言われるでしょ?」

「ご名答。」

十中八九、そう言われる。


「だけどそれ、直そうと思ってない。」

「うん。って言うか、なんで知ってるの?」

あまりにも、俺の気持ちを読んだかのような発言。

隣の席の子は、エスパーか?

「だって下林さん、自分では優しさだと思って言ってるから。」

ニコニコ笑う隣の席の女の子は、俺を分析した結果を、さも嬉しそうに報告した


「結論、下林さんはいい人ですよ。」

「あっ、そう。」

いい人、俺がいい人。

そうだよね。

俺、やっぱいい人だよね。


「でもその優しさ、伝わるまで時間かかりますよ。」

俺は椅子から、落ちそうになった。
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