Chain~この想いは誰かに繋がっている~
「うわっ!」

思わず声に出して、地味に驚く。

いやいや、それはないし。

一人で妄想して、一人で顔を真っ赤にする。


そして、そんな時に会社の女の子の一言が思い出せれる。

『本人が気づくのを、待った方がいい時もありますよ。』

思考回路が停止。

うん、そうだよな。

何も彼女は、あの時助けてくれた人なんて、必死に探している様子もないし。

誰かに聞きまわっている様子でもないし。

ここで俺が声を掛けたら、それこそお節介というものだ。



やめておこう。

せめて彼女の目が、俺に向いてくれるまで。
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