Chain~この想いは誰かに繋がっている~
そして、俺達二人を遮るように、次の地下鉄のライトが、眩しく光った。


「ありがとう。」

カワイイ彼女から、可愛い声が聞こえた。

「私、あなたに出会えてよかった。」

俺は耳を疑った。

「あなたと出会えた東京に来て、本当によかった!」


おいおい。

本当にそんなふうに、思ってくれたのか?

だって、俺達会話したの、ほんの15分前が初めてだぞ!?

彼女の無邪気な発言に、俺はほっぺたが熱くなる。

好きな子に『出会えてよかった。』なんて言われるなんて。

なんだよ、反則だろう。


そうこうしているうちに、彼女は荷物を持って、地下鉄に乗り込んだ。

「バイバイ。」

笑顔で、サヨナラを告げた彼女。

「気をつけて。」

自然に、手を振った。

そして、最後の別れを笑うかのように、地下鉄のドアは容赦なく閉まった。



ああ、これで彼女の姿を見るのは最後なんだ。

虚しい悲しみが、俺の心の中を支配する。
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