Chain~この想いは誰かに繋がっている~
美希のその質問にだけは、答えられない。

「それに、いつも小さな上映室の、旧作ばっかり。新作だったらさ、『あっ、この人余程映画が好きなんだな。』って思えるけれどね。」

その疑問にも答えられない私は、まだまだあの人の事を知らないんだろうか。


「とにかく、ちょっと癖がありそう。」

「癖?」

恋は盲目?

私にはそんな感じ、一切わからなかったけどな。

「どんなところを好きになったのかはわからないけどさ。私は、やめておいた方がいいと思うな。」

「ええ~?」

同僚兼友達の、思ってもみないアドバイス。


女遊びが激しいんだったらまだしも、そんな感じ一切ない人をやめておけなんて。

美希ってば。

もう少し、人の気持ち考えてくれたって、いいじゃん!?
< 98 / 125 >

この作品をシェア

pagetop