Chain~この想いは誰かに繋がっている~
そして、翌週。

見事、美希の見解に軍配が上がった。


いつもの時間に現れた彼。

本当は、美希がレジの担当だったけれど、わざと変わってもらった。

そんな事も気づかずに、彼は私の顔を知ってか知らずか、目が合うと真っ直ぐ私が担当するレジへとやってきた。


「大人一枚。」

「はい。席はどうされますか?」

すかさず席の配置図を見せる。

「一番真ん中で。」

やったあ~~!!

今日も聞けた!このセリフ!!

興奮のあまり、ボタンを押す指にも、力が入る。


「はい。それでは、ご希望のお席、お取りできました。」

そして、私が指さした席は、ど真ん中の席。

あまりのど真ん中振りに、彼が小さく『おっ!』って口を動かしたのを、私は見逃さなかった。


って 私 細かすぎ?
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