Scarly Rules

偽りの水


「なぁマサ。もしかして お前ゲイ…なのか?」

静寂の中で俺の質問がマサの部屋を刺す。


マサは俯いたまま

その紅潮した顔を更に赤らめ。


「…軽蔑…した?」
消え入りそうな声で呟いたマサ。




「…別に。」

「…そか。ありがと。」
そう言うと、急に立ち上がり



「あ、ぇと…な、何か食べる?お腹空いてない?お饅頭とかあるよ?あと…」

慌ただしく喋り出したマサを遮り

俺は
マサの一番伝えたかったであろうことを口にした。






「で、惚れてんだろ?俺に。」






ビクリと固まる背中。


コーヒーを一口だけ口にして
ソファから立ち上がった俺は

ゆっくりと
その背から抱きしめ、
硬直したままのマサに
俺は魔法の罠を仕掛ける。





「なぁ……俺と、ヤる?」





いつもなら由佳子にしか使わないような甘い声で耳を犯して。



「ッ!」

見開いた目を覗き込むように
俺はマサの唇を奪った。

つたう涙さえも受け入れて
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