Scarly Rules
白の目覚め
翌日。
いつものように10時ジャストに目覚まし時計は鳴って。
瞼を開けば天井…
じゃなく …恭平…?
「ぉはよ。さっさと着替えて行くよ?」
間近に映る綺麗な顔を見つめていると
ふと カッコいいなぁ…なんて思っちゃったりもするわけですよ。たまにはね。
言葉だって優しいのにね。
性格だけなんだよね。もったいないもったい…。
「あ?…お前何ぼっとして。こら、起きろって。」
虚ろな目で見ているだけの私を
布団から引っ張り上げる恭平。
「おい!おーい、ゆかちゃーん?大丈夫かー?」
目の前で手を振られ
ようやく我に返った私。
「あ。」
「あ。…じゃねぇよ馬鹿。今日は出かけるっつったろ?早く支度しな。」
「…うん。」
ゆっくりと起き上がり
ぼーっとしながら 洗面所で顔を洗い
ベッド傍のウォークインクローゼットで着替えを済ませる。
着替えたらまたベッドを通ってドレッサーの前に。
メイクをしながらチラリと見やると
鏡の中には恭平がいる。
そう。
先程からずっと 恭平は私のベッドに腰掛けて 私の動きを観察しているようなのだ。
「早く、支度。」
私の視線に気づいたのか、ご主人様なぶっきらぼうに言葉を発した。