Scarly Rules
こーひー
「…。」
「…。」
「…。」
三人ともが無言のまま数十分が過ぎたころ
ふいに恭平が口を開いた。
「なんのつもりだ。」
恭平の言葉は明らかにマサさんに向けられている。
「…。」
マサさんはまだ黙ったまま。
「そ、そんな雑な聞き方じゃ マサさんだって困っちゃうよ。」
すかさず私が口を挟んでみたけれど
「騙されずくしのお前は黙ってろ。」
普通に一撃でかわされる。
残念。私。
でも。
「黙ってんなら帰るぞ。」
恭平がそう言って、驚く私の腕を掴みあげる素振りをみせると
ようやくマサさんは慌てたように話をはじめた。
「ちょっ…待って。分かった。話すから 座って?悪い。」
一呼吸間が空いて
「俺恭平が好きでさ。恭平に その…大好きな恭平が俺なんかに抱かれてくれたのが、凄い嬉しかったんだ。ほ…あの…ほんとだよ?」
無言の二人を見やりながらの話は進む。
「それで俺はその…つい というかなんというか。恭平の求めることをしてあげたいって本気で思って。 そしたら恭平は…その…」
「…っふははははは!」
マサさんの話を遮り
急に恭平が吹き出して笑った。
??
マサさんと私は思わず固まる。
「あぁもう…はぁ…悪りぃ悪りぃ。」
笑い過ぎて涙目じゃん。
「けどさ、正直ウケるんだわ。その話、その言い方。」
笑い顔が瞬時に真顔になって。
「そ。俺はお前を騙したの。てか…お前等を かな。正確には。」
ニヤリと口角をあげたその顔は
これぞ悪魔そのもので…。