Scarly Rules
昼下がりの食卓で
「おはようございます!マサさん!」
俺の顔を見るなり走りだし、嬉しそうに抱きついてくるゆかちゃん。
「お、おはよ。ゆかちゃん。…それに恭平も。」
恭平の視線が痛い。
「おぅ。身体、大丈夫か?」
「あ、えっと…うん。一応。歩けるから 多分大丈夫。」
「ふぅーん。」
ふぅん…てアナタ。
「恭平…あ、ご主人様?まぁいいや。マサさんてばきっと無理してるだけだよ。あんだけ激しかったんだから。ね。マサさん、ほんとに平気ですか?」
ゆかちゃんは心底気を遣ってくれるけど
「だ、大丈夫だよ。確かに違和感みたいのはあるけど。それよりも…ゆかちゃんは?」
この華奢な身体に二人分の体重がかけられ、その上何度も打ち付けられていたんだ
ゆかちゃんのほうが、俺なんかよる遥かにダメージが大きいはずだょ。
けど 当のゆかちゃんはケロッとしてて。
「ほぇ?私は全然平気ですよ♪ 良すぎで気が狂いかけましたけど、身体は平気。慣れのせいかな。案外丈夫なんです。私。」
なーんてことを、何の迷いもなく言い放ってくるもんだから参ってしまう。
(カチャカチャ…トン)
そんな会話の間にも
テーブルには今朝の食事となるのであろう豪華な皿が、使用人達の無駄のない動きによって
眈々と並べられていく。