Be yourself!
そうか、そうなのか。
トップクラスのセレブになると、見たいものはあちらからやってくるものなのか……。
「住む世界が違うんですね……」
きょろきょろと周囲を眺めながら、荷物を抱え、有田さんと一緒にSaw Atがリハーサルをやっているらしいイベント会場へと向かう。
大きな公園にしか見えない景色の中に、近代的な美術館風の建物が並んでいる。
出演アーティストが多いせいか、まだ門は開かれていないのにかなりの数のスタッフが学園内をうろうろしていた。
あと、腕に「実行委員会」の腕章をつけた、制服姿の男女の姿も多い。
きびきびと指示を出す働く姿はかなりかっこよく見えた。
「お金持ち学校だから、こういうのって全部人任せかと思ってたけど、違うんですね」
「高天原学園は自主性を重んじる学校だからね。こういうイベントは全部生徒が仕切ってるんだよ」
「へぇ……」
「あ、あそこだ、あの建物の裏にステージがあるんだ」