Be yourself!
一柳要と歩いて戻ったのは、元いたテント。
そこには相変わらず律さんがいて、相変わらず、人に囲まれていた。
(Saw Atのメンバーも全員揃っていた。端っこに座ってたけど)
目ざとく人の輪の中から私たちを見つけた律さんは、にこやかに微笑みながら近づいてきた。
「姿がないから焦ったよ、要。どこで遊んでたんだ?」
「遊んでたつもりはないんだけど……俺とリュカとあの堅物の話、聞きたい? 話せば長いんだけど、でも結構刺激的なストーリーになってる」
「いや、いいや。まったく興味ないし。そもそもお前、リュカちゃんよりリッヒーからかうほうに一生懸命だし遠慮しておく」
律さんはさらっと首を横に振り、それから
「マリカ、おいでー」
と、一柳要の腕の中にいるマリカちゃんを抱き上げた。
リュカちゃん……?
どっかで聞いたことある名前だな。