Be yourself!

「それと……人事があなたを呼んだ件だけど」

「あ、はい」



ごくり、と息を飲む私。



「また絶叫されたら困るから、先に言っておく。藍田の配属先は彼……御子柴さんが新しく立ち上げたインディーズレーベルよ」

「――へ?」

「私たちプロデューサーが新入社員の人事に口を出すなんてないんだけど……仕方ないわよ。こないだ話のタネにあなたのこと話したら、面白がっちゃって、うちによこせって言うんだもの」

「えっと……」

「彼らのレーベルに、デイジーレコードが出資してるから、正確には出向ね。頑張ってね! で、彼らの機嫌をくれぐれも損ねないよう、いや、ついでにうちで仕事をしてくれるくらいに気に入られてくるのよ!」



奥田さんは、最終的に半ばやけっぱちのようにそう言い放つと、

「あの、女ったらしーーー!!!!」

と、叫びながら、階段をハイヒールで駆け上がっていった。



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