Be yourself!
フロアの中はまだ人がまばらで(とうぜんお昼休み中なのでお弁当を食べている数人しかいない)
突然の私の来訪も、華麗にスルーされている。
「一緒に僕も呼ばれてるから」
「え?」
「さ、行くよ」
池中は私にそう言い放つと、スタスタと歩き始め、部屋の突き当りにある応接間へと向かう。
「あ、ちょっ……」
池中も一緒!?
どういうこと!!!
わけがわからないまま、とりあえず彼のあとをついていく私。
「――池中です。藍田も一緒です」
ノックをする池中。
中からすぐに「どうぞ」と返事が返ってきて、池中はドアノブに手をかけると、肩越しに振り返った。
そして声を抑えて「入れよ」と上から目線でささやきドアを開けた。