Be yourself!

そっか、やっぱりお金持ちは高天原学園に通うんだなぁ……。



「その穴をデイジーレコードに埋めてもらいたいのです」

「ほう……それはそれは……高天原学園で……」

「ですが、来週ですか……少し、急ですね」



一ノ瀬氏の発言に、上司たちが若干どよめいた。


まぁ、そうだよね。来週って急すぎるよね……。



「これはあくまでも‘お願い’ですので無理にとは言いません。アーティストにもスケジュールがあるでしょうし。ですが学園主催のイベントとは思わないでください。日本の将来を担う子供達です。彼らの審美眼も大したものですよ?」

「も、もちろんそうです。あの赤と黒の蜘蛛だって、高天原学園の出身ではないですか。確か彼らは中等部から活動をしていたと聞きました」

「才能ある若者たちでした。彼らが今大成功を収めているのも、当然のことです」



そして私の斜め前に座っていた一ノ瀬氏は、にっこりと微笑みながら私に視線を向ける。



「でも誰だって最初は無名です」



誰だって……? 



「あの! では、メジャーデビューしていないアーティストではどうですか!」



思わずテーブルに乗り出していた。



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