Be yourself!
御子柴さんはチェアーの背もたれに背中をおしつけ、天井を見上げる。
翌日。久しぶりに『helix』に顔を出した御子柴さんにことの起こりを説明し、緊張しながら体の前で組んだ指に力を込めた。
勝手なことしたって怒られるかなぁ……
でも、一ノ瀬さん、ニコニコしてたしなぁ……
デイジーレコードの上司たちが、困ったやつだというような空気を醸し出していた中、
私みたいなぺーぺーの下っ端の言うことを馬鹿にせず楽しげに聞いてくれたのは彼だけだった。
それって最初からまともに取り合ってくれなかったからなのかな。
そうは思いたくないんだけどなぁ……。
「――ん、いいんじゃない?」
もんもんと考え込んでいると、さらりと御子柴さんが口を開いた。
「へ?」