Be yourself!

「たぶん、その企画通ると思うよ」

「どっ、どうしてですか!?」

「俺が面白いと思うから。まぁ、あとは現実問題そうするのがいいよね。できません、ごめんなさいじゃ話にならない。と言っても、今からじゃ大物は押さえられないしさ」

「――そ、そうですか……面白い、ですか……」



自分的には面白いかどうかわからないんだけど……。
ただチャンスだって思っただけだし。



「そうそう。そのイベント、俺たちも出るからね。だから構ってあげられないけど、自分たちでなんとかするんだよ」

「俺たち……って、【赤と黒の蜘蛛】が出るんですか!?」

「うん。だいたい毎年欠かさず参加してるから。いろいろ義理があるし」



そして御子柴さんは、何を思いついたのか、好奇心いっぱいの猫のように目を細め、唇の両端をにーっと持ち上げる。



「なんだか面白いことになりそうだね。俺、ワクワクしてきたよ」

「はぁ……」



どうしてだろう。


私はその御子柴さんの怪しげな笑顔を見て、自分から申し出たこととはいえ、なんだかいやな予感に包まれていた――。





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