☆SUKI SAKE☆
俺はあいつら適当に相手してるからゆっくり話して来いと背中を押されゆっくりと階段を上り、賢の部屋に向かう。


確か、一番奥の部屋だって言ってたよね。廊下を音を立てないように歩き部屋の前までやってきた。



でも、途端に震えがやってきた。あたしが避けたせいで栗原くんの性格まで変えてしまった。


それがひどく重たくのしかかってきた。あたしは友達にも恋人にも恵まれすぎている。それなのに、栗原くんに謝るだけで許されていいの?



ガチャっとドアノブが回り、ドアが開く。視線を合わせるとそこにはおどおどとあたしから目をそらし、視線を泳がせる栗原くんが立っていた。



「・・・栗原くん」



「・・・入って」



パタンと閉まったドア。今、ここにはあたしと栗原くんしかいない。どうしたらいいのかわからない。



でも、今できることは謝ること。
ただ、それだけ。
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