☆SUKI SAKE☆
でも、今あたしを見下ろすこの人は怒りに満ち溢れ、危険信号が鳴ってる。



逃げなきゃ、逃げなきゃ。



体制を戻し、一歩あたしが後ずさりするより早く栗原くんの手があたしに伸びた。爪痕が残るくらい強く掴まれる。



「いた、痛いよ、離して栗原くん」



「僕だって、女の子に興味がないわけじゃない。彼女だって欲しい。彼氏がいるなら葛西さんはもういろいろ経験してるんだよね?」



じゃあ、僕にいろいろ教えてよ。引き寄せられ近づいてくる栗原くんの顔。嫌だ、嫌だ。顔を左右に振って抵抗する。




「そっか。僕だと思うから嫌なんだよね。じゃあいいよ、愛しい彼氏だと思えば受け入れられるでしょ?」
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