The High School Teacher ~あたしの大好きな先生~
「へぇ、リナちゃんかぁ。仲良くしようね」

不機嫌な悠斗のことは無視して、握手を求めてくる穂積さん。

「えっと、こちらこそ?」

あたしがそれに答えようと手を出せば、

「宮川はもう仕事に戻れ」

握手をする前に悠斗にドアの方に向かって背中を押された。

「…なるほど。そういうことか、珍しいね悠兄」

「うるせぇよ。お前」

「あはは。随分とお気に入りなんだね。まぁ、頑張って大事にしてあげてね。もし泣かせたりしたら、俺もらうから」

「言われなくても」

何のことを言ってるのかサッパリな会話を背にあたしは数学準備室から出て、仕事をするために自分のクラスへと足を向けた。


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