The High School Teacher ～あたしの大好きな先生～

―――――――…

「さすがに冷えてきたかな。カーディガンぐらい持ってくれば良かった」

冷えだした腕をさする。

今は悠斗の住んでいるマンションに来て、悠斗の帰りを待っている。

それも悠斗の部屋の前で色々な物を持って待っている。

ふ、と時計を見れば針は11時30分を指している。

「もう２時間経ったんだ…」

時間を確認したことで疲れやら寂しさやらが増し、野村と書かれた表札の下にずるずると座りこんでしまう。

―コツコツ―

足音っ！

悠斗！！

…じゃ、ない。

「はぁ」

さっきから、足音を聞いては悠斗であることを期待し、確認してはがっかりする。

これの繰り返し。

そして足音の持ち主によっては、あたしに気が付くと訝しげな視線をよこしながら目の前を通り過ぎて行く。

その視線がマイナスな気持ちをさらに大きくしていく。

「早く帰って来ないかな…」

―――――――…