想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
あたしが助手席に乗り込むと、車はそのまま駐車場の隅の方へと進み、停められた。


すると、木下サンは降り、自動販売機へと向かった。


戻って来た木下サンの手には、2つの缶コーヒー。


「ほら。」


「あ、りがとう……ございます……。」


缶コーヒーを受け取るあたしの手は、小刻みに震えてる。







ドキドキドキドキ……


沈黙と共に、あたしの緊張感は増す。






「木村……。」


ようやく木下サンが口を開いた。






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