想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「呼び出した理由、わかるだろ……?」


うわ……


来たぁ……


「な、なんとなく……。」


あたしは、曖昧に返事をした。


「ったく。……知ってたんだろ?……俺の彼女が……」


木下サンは、ジッとあたしの目を見つめる。


そのせいで、あたしも目を反らせ無くなる。


「……実来だって……。」


間をあけつつも、一言一言、はっきりと言われる。


真剣な眼差しで。




もう……、ちゃんと話そう。


ここまで来たら、それが一番良いんだ……。


じゃなきゃ、余計にお姉ちゃんを傷つけるよね……。


お姉ちゃんだけじゃない。


木下サンも……。


あたしは、決心した。


全て、伝えよう。


そして……


自分の気持ちに、


ピリオドを打とう。




「木下サン、あたし……」








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