想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「……んで、お前には、分かっちゃうんだ……?」


木下サンは、あたしの両肩を、掴んだ。


涙を拭いもせずに、あたしを見つめながら……


「それは……俺の心のまんまだよ……

実来は、逆に、俺の心と反対の事を言った。

忘れさせてあげる、救ってあげる……って。

俺は、あいつが死んだ後、あいつの墓に……誓ったんだ。

お前を想い続けるよって。

お前以上の存在が現れるまではな……って!


俺が、実来を、ちゃんと拒めば良かったんだ……。

あの頃の俺、弱すぎたよな。

実来の言った言葉に対して、違う、そうじゃないって思いながらも……

実来の差し伸べた手を、取ってしまった………。」






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