想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
――次の日。



とりあえず、木下サンが接客するのを、隣に座って見る事になった。


「「いらっしゃいませ〜。」」 


初来店のお客様が来た。


20代後半くらいの、仲良さそうなカップル。



何度か見えてるお客様には担当者がつき、初来店のお客様にはその時接客した人が担当者になる。


今初来店したお客様に木下サンが声をかける。


「ご要望などお伺いしますので、こちらへお掛けください。」


ドキドキ……


初めて近づくお客様への緊張と、木下サンのお客様に対する姿があまりにも格好良くて、かなりドキドキするあたし。



ダメダメ、仕事仕事!

深呼吸をして、木下サンを観察するのをやめて、お客様に集中…。



―――約2時間後


「それではまた来週、お待ちしております。」


木下サンと一緒に頭を下げる。


「来て良かった〜♪色々と、ありがとうございました。」


女性の方のお客様が言った。


あたしが直接対応した訳じゃないのに、なんだかすごく嬉しい。


やっぱすごいよ!木下サン。

お客様のどんな要望にも、適切に対応しつつ、会話に笑い話も含めてる。


「すごいですね。木下サン。尊敬しちゃいました!」


あたしがそう言うと、ちょっと照れてた。

カワイイ♪


「なんだよ〜。惚れんなよ?」


木下サンは、ニッと笑って言った。


「全然大丈夫です!」


ドキドキしながらも、平気なフリしてサラッと返す。

もうとっくに惚れてるんだけどねッッ♪



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