想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「星……来……」


お姉ちゃんの弱々しい声が聞こえ、あたしは振り向いた。


そこに見えたのは、血相を変えたお姉ちゃんの顔。


「「星来ッッ!!!!」」


今度は、力強く、お姉ちゃんとお母さんが同時に声を張り上げた。


それと同時に、お姉ちゃんがあたしに向かって勢い良く駆けてくる。


あたしは、さっぱり訳が解らず、あっけらかんとしていた。


あたしの1メートル程手前まで来ても、お姉ちゃんは速度を落とさず向かって来る。


そして……


――ドンッッ!!




あたしは、思い切りお姉ちゃんに突き飛ばされた。


お尻を思い切り地面に叩きつけられ、目をギュッと瞑った。








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