想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
駅に向かいながら、携帯を掛ける。


「あ、もしもし〜?佐恵子?」


今日は高校一緒だった親友、佐恵子と夕飯を一緒する約束をしてた。


「星来〜!仕事終わった?」


「うん!終わったよ♪」


あたし達は、あたしの仕事場のある駅の近くににあるアジアン料理のお店で待ち合わせを決め、電話を切った。




「お待たせ!」


20分くらい待つと、佐恵子が来た。


「いいよぉ。入ろ?」


店内へ。


個室に通され、メニューを決めた。



「で?どぉ?仕事は。」


佐恵子が心配そうに聞いて来た。


「あたし、人生初の一目惚れしてしちゃいました!」


ちょっと顔を赤らめつつも、ニッコニコで言ってみた。


「はい!?あたしは仕事どぉ?って聞いたんだけど?」

「だぁかぁらぁ!職場にね…。初日に見て惚れちゃった♪」


呆れた顔する佐恵子。


「ふぅん。そんなにイケメンなんだ?」


「まぁ、最初はかっこいい人だなぁって思ったんだけど、仲良くなるにつれて中身にどんどん惹かれてくんだぁ。こんなの初めてだよ…。」


今度は真剣に話す。


「へぇ。めずらしいね。今までは告られて、なんとなく付き合ってただけのあんたが。」


そう。あたしは今まで、告られて、まぁいーやみたいなノリで付き合って来た。

付き合ってからも、こんなもんかぁって思うくらいにしか好きになれなかった。

まぁ、好きって気持ちもよくわからなかったんだよね。


「うん。初めてだよ。自分から好きだって思うの……。だから絶対あの人にも想ってもらいたいの!」


「そっか。頑張れ〜星来♪なんか、あたしも嬉しい。星来がやっと目覚めてくれて!」


そうだよね。

高校の頃よく、ちゃんと好きになってから付き合いなよ!って怒ってくれたもんね。


「ありがと♪来週あたしの歓迎会やってくれるんだって〜。そん時にもっと仲良くなれたらなぁ〜って思ってるんだ♪」


「うんうん。チャンスじゃん!いっぱい喋んなよ!」



その後も、あたし達は木下サンの話しで散々盛り上がり解散した。

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