想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「お父さんに言われたの。」


「え?」


お父さんに?


一体、何を? 


「実来の手を切断する事は、実来と星来、二人の傷なんだ。

きっと、今お前のその手が、何とも無いのなら、星来は今頃この世に居なかったかもしれない。

お前が、あいつの命を守った。

誰も悪く無い。

これからは、お前とあいつの、残り三本の腕で、四本になるんだ。

支え合い、生きて行くんだ。

仲良しだったお前らなら、それが出来るよな?

それとも、そんな事もできない程度だったか?って。」


あたしは、ただ黙ってお父さんの言葉を、お姉ちゃんの口から聞いていた。




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