想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
家に着き、2階の自分の部屋へ入ろうとすると、隣のお姉ちゃんの部屋のドアが少し開いていた。


声を掛けようかなって思って近づくと話し声が聞こえた。


電話中かな?


自分の部屋へ行こうとしたら、突然お姉ちゃんが怒鳴り出した。


「なんでそんなに冷たいの!?あたしに会いたいとか思わないの!?…………………あっそ!それならもういい!!」


思わず立ち聞きしてしまっていた。


すると、電話を切ったお姉ちゃんがあたしに気付いた。


「あっ……。星来。おかえり……。」


「ただいま!……お姉ちゃん、どした〜?彼氏とケンカでもした?」

あたしは、明るく振る舞って聞いてみた。


「ケンカっていうか…。あんまり彼に想われてないみたい…あたし。」

切ない顔でお姉ちゃんが言った。


「え!?なんで!?うまくいってるんじゃ無かったの!?」

お姉ちゃんの意外な話しにびっくりした。


「元々、あたしが強引に付き合ってもらったようなもんだからね…。」


それからお姉ちゃんは軽く話してくれた。

彼氏にはお姉ちゃんと出会う前に、仲の良い彼女が居た。

その彼女とは、いずれは結婚とまで考えていたらしい。

けどその彼女は、丁度お姉ちゃんが彼と知り合った頃に交通事故で亡くなった…。


そして、彼を好きになっていたお姉ちゃんは……


「あたしが救うから!あたしが全て受けとめるから!」


そう言って相当ヘコんでた彼に告白したらしい。







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