想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
――次の日


俺は、定時に会社を出て、実来との待ち合わせ場所へ向かった。



会社での星来は、必死に平然を装ってるのが、わかった。


俺も必死だった。


今は、そんな感じでも、いつかちゃんと自然に笑い合える日が来る……。


単なる会社の同僚として。


みんなと同じ様に、な。



星来も頑張ってる。


俺も、頑張んないとな。


そんな事を考えながら、着いた先は


俺と実来が、いつも待ち合わせに使う、実来ん家から近い、コンビニ。


ここで実来を待つのも、最後か……。



しばらくすると


――トントンッ


助手席の窓を、叩く音。



そちらに向くと、実来が無邪気な笑顔で手を振って居た。



「お疲れ様〜。」


実来は、助手席に乗り込むと、いつものセリフを言った。


「おう。」


どこで話そうか。


「今日はどしたの?海から誘って来るなんて、珍しいね♪」


ニコニコ笑う実来を見てると、辛い。


2年も居たんだ。


情だって湧く。


ホントは、泣かせたく無ぇよ。



「ちょっと……話しが有って、な。」


俺がそう言うと、実来の顔から、笑顔が消えた。


「……へぇ……。じ、じゃあ公園の駐車場でも行こっか。」



イヤな予感でもしてるのか、目を合わせなくなった。


「そうだな。」


俺はそう言うと、車を走らせた。



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