想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
――約2時間後。


ここは、会社の近くのとある洋食屋さん。




―カチャ 


北川サンは、食後のコーヒーのカップを置き、口を開いた。


「……そっかぁ……。」


あたしは……


木下サンに出逢った時の自分の気持ち、


木下サンに出逢う前までの、あたしの恋愛の仕方、


木下サンとお姉ちゃんの関係、


あたしとお姉ちゃんの過去……


それら全てを話した。


「で?お姉さんに悪いから、木下君とは付き合え無いと?」


北川サン……


直球だなぁ。


「え……と、まぁ。」


「お姉さんは、一切知らずに木下君と別れたのね?」


「はい……。」



北川サンは、それだけ質問を向けると、ただ黙ってあたしを見つめた。


……


………


…………



……っくぅッッ!


く、苦しいッッ! 


目、逸らす事ができない……!!


何て目力の強い人なのぉ?





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