想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
そして、10分後――。



「はい……、はい……!

宜しくお願い致します!
はい、失礼致します。」


――カチャ


「……」


あたしは、受話器を置くとデスクに突っ伏した。


「木村さん?」


上の方から、北川サンの声。


!!


居たのか、北川サン!!


「はいッ!」


あたしは勢い良く起き上がって、北川サンへ向いた。


「どうだったの?」


そ、そうだよね!


報告……ッ! 


「あ、はい!あの、快く引き受けて頂けました!

えっと、普通にケーキ用意して、みんなでバースデーソング歌って……ってのは、よく有るらしいんですけど、

年齢に合わせた人数のひとりひとりがキャンドルを差してくってのは珍しいらしくて、きっと評判イイだろうって……。」


あたしが説明し終わると……


「そっか、よかったわね!」


北川サンは、そう言って笑ってくれた。


「じゃ、何で突っ伏してたの?ダメだったのかと思ったわよ?」


へ?


あぁ、電話切ってすぐの事か……


それはただ……


「ホッとしたんですよ。結構ビビってましたから……。」


すると、北川サンは……


「えぇ!?それだけ〜?
心配して損したわ……。」


呆れた様に、そう言った。


だって……


企画依頼なんて、初めてだから……


緊張してたんだもん。






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